No.53


9 月〇日
りーちゃん、るーちゃんが亡くなって以降、
我が家でわんこのいない生活が続いていましたが、
この度、ルビーのキャバリアの子犬をを迎えることになりました。




子犬には特有の可愛さがあって
時々意味もなく室内を走り回っていますが、
見ているだけで、とってもなごみます。(^^)/

10 月〇日
りーたんがうちにやってきて3週間が経ちました。
耳が伸びて、体重も2.3sになりました。
今日、生後2回目のワクチン接種を済ませました。
わんこのいる生活はとっても楽しいです。(^^)/



ところで、国内でわんこのいる家庭の割合がどのくらいかご存じですか?
2020年の統計では、約11%だそうです。

ちなみに米国は38%、フランス25%、英国24%、ドイツ21%
先進7か国の中で、もっとも低いのが日本だそうです。

この仕事をしていると、毎日わんこを見ているせいか、
もっと高い割合かな〜と感じていましたが、驚きの結果です。

しかも先進国の中で唯一わんこの数が減り続けているらしい。
米国やドイツは年々増加しているし、英国も横ばいみたい。
日本は今後どうなっていくのか、ちょっと心配です。((+_+))

11 月19日
今日は2003年の開院から数えて20回目の開業記念日、
私にとって、節目の一日です。
明日から気持ちも新たに20年目突入です。

振り返ってみると、この20年はとっても充実した年月でした。
なによりたくさんの動物たちとの出会いがあったし、
動物を通して経験すること、学ぶことも多々あり、
さらにここ20年の獣医療の急速な進歩も体感できました。

この進歩の中で、近年特に注目に値するのは、
@内視鏡の普及と、
A画像診断モダリティーの多様化(即ち、従来のX線検査や
超音波検査に加えて、新たにCT/MRIといった機器による
診断支援、外科支援が増えたこと)
でしょう。

内視鏡といえば多くの人がヒト医療の内視鏡外科を
思い浮かべるかもしれませんが、さすがに獣医界では
内視鏡外科(腹腔鏡)はまだまだ発展途上です。

一方、消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)検査はかなり一般的に
なりつつあり(といっても動物病院での普及率は40%以下ですが)、
当院でも消化器疾患が疑われる際の組織採取や、
食道内異物や胃内異物の除去にも適用しています。

節目の日に過去を振り返って想うのは、
世界も、日本を取り巻く環境も、そして社会構造も大きく変化する中で、
10年後、あるいは15年後に、はたして獣医療が
どのように変化・発展しているのか、・・・。

そのころには今年お迎えしたりーたんも
10歳、15歳になっているのかな?
元気で長生きしてちょうだい!



りーたんは今日もご機嫌ですよ〜〜〜(^^)/


12 月〇日
先週、今週と立て続けにチワワの開腹手術をしました。

チワワはトイプードルと双璧をなす人気犬種なので、
この仕事をしているかぎり、診ない日はほとんどありませんが、
特に今回は私に懐いてくれている可愛い子たちなので、
以下、画像で紹介することにしました。



この子は明るい性格で、みんなの人気者!
ピンクの術後服がよく似あいます。
体重わずかに2.2sです。




この子は保護犬でした。
今は優しい飼い主さんにめぐり合って、幸せいっぱいの生活です。
体重もようやく1.8sを超えました。ちょっとシャイな性格。
この顔、見ているだけで和むんだよね。

同じチワワという犬種であっても、それぞれに個性があって、
それぞれに独特の可愛さがありますよ〜。(*^_^*)

12 月〇日
にゃんこ専用の新しい鎮痛剤ソレンシアと
わんこ専用の新たな鎮痛剤リブレラが承認されて、
近日中にいよいよ発売されるみたいです。
ちなみに欧州では21年に承認されていました。

犬はともかく、今まで猫の痛み止めといえば、
2社から発売されていた非ステロイド性消炎鎮痛剤
(注射と経口)くらいでしたから、
今回は「抗体医薬品」なので、かなり効果期待できそう。

かつて一般に動物は痛みを感じにくいといわれて、
鎮痛剤の使用頻度が少なかった時代もありましたが、
ここ10年くらいは、学会等のアナウンスを通して、
犬でも猫でも積極的な使用が推奨されています。
わんこもにゃんこも長生きすると関節炎が増えますからね。

もっとも、私自身テニス肘や四十肩、五十肩を経て
痛みにはめっぽう弱いほうなので、
以前からヒトになぞらえて、動物にたちにも
積極的に痛み止めを使ってきました。

というわけで今回改めて、院内の鎮痛剤を数えてみました。

〇全身麻酔時の鎮痛剤として(5種類)
フェンタニル・ケタミン・ブトルファノール・ブプレノルフィン・メタカム

〇局所麻酔剤として(2種類)
マーカイン・リドカイン

〇非ステロイド鎮痛剤として(4種類)
オンシオール・プレビコックス・リマダイル・ガリプラント

〇鎮痛補助剤として(3種類)
ガバペンチン・トラマドール・アミトリプチン

〇鎮痙剤(腹痛・胆石痛)として(2種類)
ブスコバン・スパカール

〇脂肪酸製剤として(3種類)
アンチノール・プロテクタブ・ムーブマックス

合計19種類、新しく発売される抗体薬が20種類目になります。
意外と多くて驚きました。 
 (@_@;)

ところで今回鎮痛剤の筆頭にあげたフェンタニルですが、
かつてロシアがフェンタニルにいくつか化学的修飾を加えて
呼吸抑制作用の強いガス(=化学兵器ですね)を作り、
テロリスト制圧を名目に実際に使用したことがありました。
(2003年、モスクワ劇場占拠事件)

優れた鎮痛薬から、毒ガスを作ってしまう・・・
なんとも、おそロシア・・・。((+_+))

12 月28日
今年もあと3日あまり、
あっという間の一年、
世界がウクライナ戦争と新型コロナ
に翻弄された怒涛の寅年でした。

来る令和5年、干支はうさぎですね。
うさぎ年が動物たちにとって、皆様にとって、
よい一年でありますように!!!(*^_^*)



2023年
1 月〇日

2023年が始まりました。

年の初めには毎年目標を定めていますが、今年の目標は
「TIVAを極める!」
でいこうと思います。

一般には全くなじみのないコトバですが、
要するに麻酔方法の一種です。

全身麻酔には大きく分けて、
@吸入麻酔(麻酔ガスによる麻酔)と、
A全静脈麻酔(静脈から持続的に麻酔薬を入れる=TIVA) 
の2つがあります。

当然使用する機器も下の画像のごとく異なります。



動物医療の世界で広く実施されているのは吸入麻酔ですが、
麻酔深度調整が容易な半面、手術中の低血圧を招きやすく、
吸入麻酔ガスは環境汚染やスタッフへの暴露から
問題点も少なくない麻酔です。

一方、全静脈麻酔は文字通り静脈から麻酔薬を持続的に入れて
麻酔状態を作り出しますから、環境汚染はゼロ、医療者の暴露もゼロ、
しかも血圧低下が少なく、なんと言っても麻酔覚醒が極めて穏やか。
この「覚醒の良さを味わうがためにTIVAを選択することが多い」、
と説く麻酔科医の講演を聴いたことがあります。

実際、専門医が全幅の信頼をよせるだけのことはあり、
高齢動物や全身状態の悪化した動物においてこそ
TIVAの真価がいかんなく発揮されます。
そう、じつに良いことづくめなんです。(*^_^*)

ただし、難点としては、
@吸入麻酔に比べて、麻酔計画がやや複雑であり、
A麻酔濃度の調整がガス麻酔のように容易でないこと。

ヒトでは、脳波をモニタリングすることでTIVAの麻酔深度判定を
しているようですが、動物では脳波による術中モニタリングは
現実的ではありません。

そんな状況がしばらく続き、
TIVAは麻酔専門医が好む方法ではありましたが、
一般の獣医師からみたらマイナーな存在でした。

ところが、近年麻酔薬の血中濃度変化を
経時的にグラフ化してくれるミュレーションソフトが登場
(=iphonやiPadに手軽にインストール出来る!)、
TIVAの安全性が高まり、注目されています。

事前のシミュレーションで麻酔効果を予想できる・・・。
いいですね。
これで間違いなくTIVAの安全性・有効性が担保されるでしょうし、
なんてすばらしい世の中になったんだろう!(^^)/
これを診療に取り入れないわけにはいきません。

というわけで、TIVA、
じつは私、今までも少しずつ取り入れていたのですが、
今年からはより一層、
「麻酔からの覚醒の穏やかさ(=覚醒の質)」
にこだわってみたいと思います。

1 月25日
十年に一度という大寒波がやってきた。
確かに今朝は寒かった。
朝の6時で外気温がマイナス16℃ですからね。

院内の給水設備が凍結していないか、
駐車場に凍結して危ない場所はないか、
寒さの厳しい日は、朝からなにかとチェックに忙しい。((+_+))

ただ、今季の軽井沢、今のところ雪は少なめ。
これが唯一の救いかもしれません。

※この日誌に登場するわんこ・にゃんこは基本的に仮名です。